お遍路体験記 7日目 2017年3月14日


 18番、恩山寺。


 18番から19番へ向かう道が素晴らしい。


 19番、立江寺。

 立江寺を抜けた後に続く竹林がめっちゃ良かった! 物寂しい雰囲気と、竹の間を抜けていく風の音と。トリップ感がある。ちょっとホラー風味。


 ↑只今、この辺り。


 通夜堂を発見。


 ちゃんと、布団もある。男だったら、泊まってみたい。


 机の上の書き置き。旅の情緒を感じる。


 宿の感想ノートを読みながら、しばらく休憩。


 通夜堂を出た。蜜柑をいただく。


 勝浦町。ひな人形発祥の地らしい。ビッグひな祭りの会場に近いけど、残念ながら、寄っている時間はなさそう。早く歩かな、宿まで辿り着かへんから。道端のひな人形や、ひな祭りっぽい装飾を見ているだけでも楽しめる。


 新しい自分に……


 宿に到着。グーグルマップで検索して見つけた宿。本当は、隣村の宿に泊まりたかったんだけど、満室だった。ビッグひな祭りのせいかもね。
 で、仕方なくこの宿にしたんだけど、グーグルマップのレビューが星1つだったので、気が進まない。 


 だだっ広い大部屋に、一人で泊まる。電球は切れかけで、チカチカと点灯している。何かのメッセージ信号と勘違いしたUFOが降りてきそう。

 窓に人影が写っていますが、幽霊ではなく私なので、ご心配なく。

 泊まった感想。この宿は、なるべく避けるべき。レビュー星1つは妥当な評価だ。おもてなしの心がまったく感じられない。
 ただし、次のお寺の登山口の近くで、立地は最高。近くに宿は、ほとんどない。他に泊まる所が見つからず、妥協するなら、仕方のない選択かもしれない。寝る場所だけでも確保できればいいなら、止めはしない。でも、なるべく泊まらないことを強くお勧めする。

お遍路体験記 6日目 2017年3月13日

 皆でワイワイと朝ご飯を食べたあと、2泊お世話になった宿を出る。
 郵便局に寄った。実家の姉に宛てて、なくても差し支えなさそうな余分な荷物を送る。ちょっとでも荷物を減らす作戦。


 なんか、ウルトラマンみたいなのがおる……。


 14番、常楽寺。


 小雨が降ってきたので、納経を済ませた後に屋根のあるベンチで休憩。

 宿で一緒だった30代ぐらいの男性Kさんに会う。まあ、皆、お遍路をしている以上、同じ方向を目指して歩いている訳で、会っても不思議ではないのだけど。
 Kさんは、山形出身で、数日間、仕事の休みを取って来ているんだって。ずっとお遍路に行きたかったらしい。数日間で、どこまで周るかは特に決めてないんだって。大人や……。私みたいにセカセカしてないもん。

 ベンチにフランス人のおっちゃんが合流。日本へは何度か来ていて、独学で勉強しているそう。日本語についての質問を受ける。
 お遍路中に、タダで泊まれる場所のことを何て言うのか聞かれた。多分、お寺の中にある建物が通夜堂で、外にある、民間の建物が善根宿だと思うんだけど、合ってるかな? 善根宿は、いくらかお金がかかる場合もある。

 雨がほとんど上がったので、また歩き出す。Kさんと一緒。
 足を引きずって歩いていたら、「痛そうですね」と気に懸けてくれる。皆に心配をかけて申し訳ない。

 ぼそぼそと雑談をしながら歩く。
「今晩は、ネットカフェに泊まって、仕事するつもりなんですよ」と話したら、ちょっと引かれた。

 15番、国分寺の写真を撮るの忘れた……。
 フランス人のおっちゃんの写真モデルになったよ。私の写真は、今頃、フランスに渡っているはず。


 16番、観音寺。


 足に対する崇拝が、インドっぽい。
 インドって、聖人の足に額を付けて敬意を示す習慣があるから。


 17番、井戸寺。このお寺のデザインとか配色とか、なんか好き!


 お大師様が湧かせた井戸。願いが適うらしい。


 日を限って願い事をするといいらしい。


 Kさんに、いろいろと気をつかってもらったので、井戸のお水をプレゼント。Kさんは、他のお遍路と話し込んでいたので、お水を渡し、お礼を言って別れた。

 しばらく歩いていたら、Kさんが追い掛けてきた。
 正確には、私が歩くのが遅いので、追いついたと言うべきか。
 
 で、今晩、ネットカフェに泊まらずに、一緒に温泉宿に行かないかと誘われる。バスで12番の近くまで戻らなあかんらしい。
「変な意味はないから、安心して。温泉にゆっくり浸かって、足を休めたほうがいいと思うので」とのこと。
 変な意味だとは思っていないけど、温泉宿は、けっこう高い。この先の旅で、いくら掛かるかわからないし、できれば宿代は節約しておきたい。
 12番まで戻るのも、時間のロスになる。明後日の宿も取ってあるから、旅程がズレるのは困る。
 それに、一緒に温泉宿に行ったら、Kさんとご飯を食べて、おしゃべりして、結局、仕事はできないと思う。

 せっかくの提案だけど、お断りした。
 LINEのアカウントを交換して別れた。


 街に到着。
 イヤホンのパーツ(耳に当たる柔らかい部分)を紛失したので、電気量販店に買いに行く。お遍路の衣装と電気量販店の現代的な感じがミスマッチ。


 雨がしとしと降っている。
 車道沿いを歩いていたら、「お遍路さーん!」と追い掛けてくる見知らぬ男性が。
「ちょっと、うちの事務所で休憩していきませんか」
 お言葉に甘えて、ちょっとだけ寄らせてもらう。
 不動産業者の事務所だった。声を掛けてくださった方は、社長さんみたい。車でお遍路した経験があるんだって。
 ココアをいただいた。お接待として、1000円をいただいた。お金をいただくのは初めて。夕食代として、有難く使わせてもらう。


 事務所に張ってあったポスターが目に留まる。
 ビッグひな祭り!
 このネーミングセンスたるやっ!
 次に行く予定の町で、開催されているらしい。要らなくなったひな人形を全国から引き取って、皆に見てもらう取り組みみたい。わー、行きたいな~。


 ネットカフェに到着。


 今日もいろいろあった。
 しかし、雨だと歩きにくい。天候って大切。
 夜中まで仕事に勤しむ。
 インターネット接続のために、ポケットWi-Fiを持ち歩いているが、山間部は電波が悪いときも多い。その点、都市部は助かる。

村田沙耶香『コンビニ人間』

コンビニ人間

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 図書館で予約して、順番待ちして読んだ。順番待ち370人だった! 大人気! どれぐらい待っただろう、半年ぐらいかなぁ。
 すごく読みやすくて、さくさく進んだ。
 主人公の、他人と上手くやっていけない不器用さが愛おしい。
 ラジオで、作者本人のインタビューを聴いたけど、あまり話し上手ではなく、ときどき黙り込んでしまう感じが、素朴でかえって好印象だった。

朝井リョウ『何者』

何者 (新潮文庫)

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 就職活動に勤しむ学生の話。
 私は学生時代、就職活動氷河期にぶち当たって、結局、就職活動から逃げた人間なので、この本を読んで、あの、不安でドヨーンとした就職活動の感じが伝わってきて、「ああああああ」ってなった。
 気持ちが滅入ってくるので、途中で読むのをやめようかと思ったけど、最後まで読んでみたら、ぐっときた。
 途中で放り出さずに、読むなら最後まで読むことをお勧めします。
 物語の中の、スマホやツイッターやSNSの使い方がすごく上手い。作者が1989年と若いだけあって、今っぽい。

12月の予定

12月の予定

仕事:
ルーティンの仕事:100時間前後
文字起こしの仕事:目標10時間
梅田でデータ入力:3日間

 ちょっとセーブします。バリバリ働いてるときの3分の4程度。
 なるべく働きたいけれども、働き過ぎるとストレスで寝込むので、かえって非効率。
 程々に、できる範囲で頑張ります。

趣味:
本を8冊読む 少なくとも、小説は2冊以上、読みたいところ 
お遍路の体験記を書く 目標:30日分
書き上げた小説を応募する。もう少し推敲して、12月末ごろに応募の予定
次作の小説のプロットを通信講座の先生に提出
プロットにOKが出れば、ぼちぼち書き始める(目標:1日、400字詰原稿用紙3枚程度)
コンピュータ関連の資格試験の勉強。参考書の1冊ぐらいは読みたい
体重を2キロ減らす

 今月は、目立ったイベントはなし。なるべくお家で過ごします。
 

お遍路体験記 5日目 2017年3月12日

 今日は足を休める日。近くの13番、大日寺だけお参りする。
 あとは、部屋に引き籠って、持ってきたノートパソコンで仕事。


 足が痛くて、↑こんな感じ……。


 夕食や朝食は、皆で集まってワイワイ食べるスタイル。
 いろんな人がいて、面白いよ。予備知識がほとんどない状態でお遍路に挑んでいる私にとっては、どれも珍しい話ばかり。毎年、このシーズンになると歩き遍路に出ているという人もいた。
 私のペースでは、45日では歩き終わらないのではないかとのご意見を頂戴する。私も、なんとなくそんな気がしてきた。ゆっくり周ると、60日ぐらいかかるかもって。宿代やら食費やらで、なんやかんやと一日8000円ぐらいかかるから、60日だと予算的にも厳しいかも。
 宿の主人に、他の人の作成した資料のコピーをいただく。42日間かけて歩いた人の日誌だ。その日に参拝した札所や泊まった宿の情報などが一覧になっている。


 宿の外観。


 14番、大日寺。
 ここの住職は、韓国人の尼さんという、異色の寺。御朱印の係の人も韓国人だった。
 納経所(御朱印を押してくれる場所)に住職さんがいらっしゃったので、ちょっとだけ会話。
「ここのお寺の住職さんは美人だと聞いて、楽しみに来ました」と伝えると、嬉しそうだった。尼さんといえど、女性の部分は捨てていない雰囲気。

 夕方に宿に着くなら、夜は暇だから仕事ができるかと思いきや、疲れてすぐに寝てしまうことが多い。納め札も書かんとあかんし。泊まる宿の予約とか地図でのルートの確認とか、けっこう、やることがある。
 溜まっていた仕事をなんとか片付けた。

お遍路体験記 5日目 2017年3月11日

 朝、寝坊した……。
 6時半に起きて、宿のお兄ちゃんが12番、焼山寺まで車で送ってくれることになっていた。
 なのに、起きたら7時半……。昨日の遍路ころがしに、体が堪えたみたいだ。


 お兄ちゃんに、遅刻を謝り、急いで朝ご飯を食べる。

 車に乗り込むが、お兄ちゃんが、明らかに機嫌が悪い。
「今回は仕方ないけど、連絡はもっと早くしないとだめですよ。宿が心配するから」とのお説教を受ける。
 宿を予約した際、「焼山寺まで着いたら連絡ください」と言われたの。で、昨日、焼山寺に着いたのが18時だったので、18時に連絡したら、宿側のミスで予約ができていなくてテンパったという流れ。
 最低でも17時までに連絡を入れるのがマナーだと教えられる。
 どうやら、お遍路の泊まる民宿は、17時ぐらいに着かない場合は、一旦、連絡を入れなあかんらしい。夕飯が17時半から18時ぐらいで、皆で揃って食べるルールっぽい。結構、めんどくさい……。まあ、納経の時間が17時までやから、大体、皆、それぐらいの時間には宿に入って、次の日に向けて体を休めているんだけどね。私の場合は、歩くのが遅いので……。

 昨日は連絡する時間が遅かったうえに、今日は寝坊したから、いろいろ迷惑かけたのは確か。

 焼山寺に車で来ると、駐車場を利用しなくても300円を徴収されるんだって。お兄ちゃんが寺務所に寄って300円を払おうとするので、私が払うと申し出た。
 でも、「300円は、お接待で払うことに決めているから」と受け取ってくれない。迷惑をかけたうえに300円も払わせて申し訳ないなーと思ったけど、昨日、車の中でお兄ちゃんと話をしたとき、「僕も歩き遍路をしたことがあって、四国でいろんな人にお世話になって感動した。特にお世話になった人に、『どうやってご恩をお返ししたらいいですか』って聞いたら、『私に直接返してくれなくていいから、他の人が困っていたら助けてあげてほしい。巡り巡っていくものだから』って言われた。だから、ここで働きながら、お遍路をしている人の手助けがしたい」と熱く語っていた。
 だから、300円も、私が払うと強く主張するのは却って失礼かな、と。お兄ちゃんの感謝して親切を受けることにした。


 12番、焼山寺。


 杖杉庵、お大師様と衛門三郎の像。


 昔、衛門三郎という人がいて、托鉢僧に出会ったけど、つれなくあしらったんやって。だけど、後になって托鉢僧の正体がお大師様と知り、後悔した衛門三郎は、四国を巡るお大師様に謝りにいく旅に出た。お大師様と反対回りに巡れば、どこかでぶつかると考えて、反対回りで四国を巡る。なかなか会えなかったけど、4回目でやっと会えて、謝ることができたんだって。
 うろ覚えやから、間違ってたらごめん。だいたい、そんな感じ。
 お大師様と衛門三郎の像の前で、中年夫婦の夫の方が、妻にドヤ顔で説明していたのを、隣で黙って聞いてたの。夫婦で車で周れるなんて、いいなー。私も蘊蓄を披露してくれる、頼りがいのある夫の説明を聞きながら周りたい。一人で徒歩で周っている現実たるや……。

 杖杉庵の近くで、ジャージの上衣を発見。そういえば、昨夜の宿で一緒だったおっちゃん(遍路ころがしを一緒に歩こうと誘ってくれたおっちゃん)が、「ジャージの上衣を落とした」って騒いではったなぁ。拾って帰る。

 荷物を置かせてもらっていたので、一旦、宿に戻った。

 奥さんに、ジャージの上衣を拾ったので、昨日、落とした人に電話を架けたい旨を伝える。宿帳を見せてもらう。確か、おっちゃんは、大阪のS市に住んでいると言っていた。住所を頼りに特定。電話を架け、拾ったジャージの特徴を知らせる。やはり、おっちゃんの落としたジャージだった。

 おっちゃんは、今夜は13番、大日寺の宿坊に泊まる予定、とのこと。私は、大日寺近くの民宿に予約をしていた。予約のときに、「私、歩くの遅いので、もしかしたら着くのが夜になるかもしれないですけど、構いませんか」と尋ねておいた。すると、「うちは、何時になっても構いませんよ~」との回答。なので、焦らずに歩くことができそうだった。

 おっちゃんに、「大日寺の近くまで来たら、電話しますので、宿坊から出てきてもらえませんか。ちょっと遅くなって、夜になるかもしれませんけど。宿は、遅くなっても構わないと言ってくれてるんで、頑張って歩こうと思います」と伝えた。
 電話を切る。電話のやりとりを聞いていた奥さんが起こり出した。
 結構、長い間、怒られていたのだが、怒られた要点を説明すると……

・いくら宿がOKしたからといって、夜に着くのは非常識
・17時までに着かないときは、宿に電話を入れろ。昨日だってうちに連絡くれるのが遅かったから迷惑だった
・朝寝坊した。早くしないとあなたのスケジュールが遅れると思って、6時半に朝ご飯を用意していた。そのために、こっちは6時に起きた。お兄ちゃんなんて、5時半に起きて、準備をしていた。
・お兄ちゃんに迷惑を掛けた。本来、お兄ちゃんがあなたを寺まで送迎する義務はない。あなたが昨日、着くのが遅くて御朱印がもらえなかったら、サービスで連れていってやったんや。焼山寺の駐車代300円だって、お兄ちゃんが負担しているんや。
・何が何でも歩こうとするのは、我儘。宿のことを考えて、遅くなりそうなときはタクシーを拾って早めに着く努力をしろ。

 確かに、今朝の寝坊は私が悪い。でも、私にかて言い分はある。
 しかし、二度とこの宿に泊まる気はないこともあり、その時は、何も言い返せず。「すみませんでした、言ってくださって、ありがとうございます」と言って耐えた。かなり凹む。


 私の言い分。昨日、部屋が取れてなくてテンパったのは、宿のせいやんか。客用の部屋がなくて、泊めてもらった部屋は↑これやで! ぐちゃぐちゃやし、臭いもすごいし、夫婦の寝室への通り道やから、着替えているところに主人が入ってくるという環境でも、こっちは「泊めてもらえるだけ、ありがたい」と思って、何も文句を言わんかったのに。
 いくら安く泊まる場所を提供してくれるからって、客商売やで。なんでそんなに宿に合わせなあかんねん。夜遅く着いて、夕飯が片付かなくて困るなら、夕飯なしの素泊まりでもこっちは構わんねんで。コンビニだってあるし。
 嫌やわ~~~~~。納得できへん。
 心ではムッとしていたが、頭を下げて、宿を出る。


 また歩き出す。川はきれいだった。でも、心は晴れない。


 16時ごろ、「やっぱり遅くなりそうです」と宿に連絡を入れておいた。
 19時ごろに、歩いている私を宿の車が迎えに来てくれた。歩きたかったんだけど、きっと早く食事を食べてもらいたいのだろう。あんまり我儘も言えない。
 一応、徳島県と高知県の県境は歩いて越えた。

 おっちゃんに電話。宿の前までジャージを取りにきてもらう。渡せて、ほっとした。


 夕食。ご主人に、「あなたが歩くのが遅いのは、能力のせいじゃない。能力は、皆、大体、同じ」と指摘を受ける。確かに、15キロは重い! 女性だったら、4キロぐらいに留めるのがベストらしい。荷物を整理して、いくつか送り返そう。それでも、仕事用のパソコンと資料があるから、人より重くなるのは仕方ない。


 枇杷の油のお接待。疲れた足に塗るといいみたい。

お遍路体験記 4日目 2017年3月10日

 6時半に宿を出発。
 11番、藤井寺まで車で送ってもらう。歩くと言い張っていたが、宿のご主人に、11番から12番へ向かう道が、いかにハードか聞かされ、結局、説得される。

 11番から12番の間の遍路道は、通称「遍路ころがし」と呼ばれている。道が険しく、途中でリタイアする人もいるらしい。

 いくらハードな道といっても、地図で見たら、たった13キロなんやけどねえ。ちょっと不安になってきた……。

「まあ、めちゃくちゃハードって訳ではないですけどね。大丈夫」と、車の中でご主人は陽気に言うけれども、果たして……。


 11番、藤井寺着。


 11番は、この辺り。

 7時に御朱印をいただいて、納経所近くのベンチで休憩していると、60代ぐらいの男性が「12番まで、一緒に歩きませんか?」と声を掛けてくださった。
 気持ちは嬉しいけれど、なんせ私は歩くのが遅いので、迷惑をかけたらあかんから、とお断りした。

 休憩を挟みながら、えっちらおっちら歩く。


「へんろころがし 1/6」の標識が。
 こういう道が6つあるということか。


 長い、超長い!
 しかも、かなり急な坂道もある。荷物がずっしりと肩にのしかかっている。

 休憩所で、飲み水を汲んで、がぶがぶ飲んだ。
 イタリア人男性とフランス人女性と日系アメリカ人男性と日本人男性のインターナショナルなグループに出会う。昨晩、通夜堂(タダで泊まれる小屋)で一緒になったらしい。イタリアのお菓子を分けてもらった。
 さっき、同行を断ったおっちゃんに会った。おっちゃんは、どうやら今晩、私と同じ宿に泊まる予定みたい。

 私が一番、歩くのが遅そうなので、一足先に出発した。が、すぐに追い抜かれる。

 夕方、「へんろころがし 6/6」の標識までやってきた。あともうちょっと、イエーイ! と思ったが、甘かった。6/6が長いこと、長いこと! ぜんぜん着かん! しかも、道が険しい。
 寺の鐘が聞こえてくる。17時を告げる鐘だ。御朱印の受付時間に間に合わなかった……。
 
 力尽き、岩の上に座り込む。
 皆、上まで行ってしまったようで、誰も通らない。暗くなってくるし、心細いし、疲れたしで茫然とする。
 
 岩の上で、Mさんに電話をして弱音を吐く。
 Mさんは僧籍を持っていて、歩き遍路も経験済みで、先達(お遍路のエキスパートとして初心者を引率する役)もしてはるから、気持ちをわかってくれるかな、と。

 電話してみたら、Mさんはネットゲーム中だった。
「宏美さんが修行してるのに、僕がネットゲーム中とは」って言うから、笑ってしまった。
 いつまでも愚痴っていても、歩かないことには宿に着けないので、一歩でも歩くと決める。電話を切った。

 すっかり暗くなった。夜の山道は怖い!
 しかも、道に迷った。焦る。
「今日、予約している者ですが……」と宿に電話を入れると、なんと、予約が取れていなかった! 昨日、確かに予約したのに!
 宿の人も部屋が空いておらず困っていたが、かといって私を野宿させる訳にはいかないので、とにかく12番、焼山寺まで車で迎えにいくと言ってくださる。


 焼山寺の不動明王様が見えた。暗くて怖い。


 今日の宿。味のある佇まい。


「ごめんねー、うっかり、予約ができていなかったみたいで」と奥さん。部屋はなんとかしてくれるらしい。泊めてもらえるだけで、ありがたい。

 さっき、休憩所であったインターナショナル・グループの一人が、食堂に上がり込んで味噌汁を飲んでいた。日系アメリカ人の彼。近くで野宿するのだが、ちゃっかりと味噌汁を奢ってもらったらしい。
 この彼と、結構、気が合う。25歳なので、もうちょっと年が近かったら友達になれたのに残念だ。
 日本で生まれて、幼い時に交通事故で両親を亡くし、アメリカに住む夫婦にもらわれていったんだって。母親が中東系なので、トルコ語も話せるらしい。今は、フランス在住。重い病気にかかっていて、将来は失明のリスクが高いそうだ。目が見えなくなる恐怖で悩んで、お遍路に来ている、とのこと。
 今、彼女が超ほしいけど、フランス人の女性はなかなか一筋縄でないかないという話を聞きながら、奥さんの作った夕食をいただく。

 足を傷めていたので、宿を手伝っている30代半ばのお兄ちゃんに、湿布を譲ってもらった。
 宿の主人が寝泊まりしている部屋の隣に泊めてもらった。

お遍路体験記 3日目 2017年3月9日

 早朝、車で5番の地蔵寺まで送ってもらう。5番から再スタート。
 昨日ゆっくり参拝できなかったから、地蔵寺をもう一度参拝。

 昨日のボランティアのおっちゃんが、登校前の小学生2人と一緒にいた。
 小学生は、お大師様の像に向かって、「お大師様、行ってきます!」と元気な声で挨拶していた。
 教育が行き届いている! 感動した! 小学生の男の子が、半ズボンなのもいい! 大阪では、すでに半ズボンを履いてる子は絶滅種だよ。私の中で、徳島の子供たちの株が上った。
 おっちゃんと世間話。小学生のお大師様への挨拶は、毎日とのこと。素晴らしい。


 6番、安楽寺に向かって歩き始める。
 お遍路向けの休憩所がちょこちょこある。お茶やお菓子の用意をしてくれているところもある。すごく有難い。


 6番、安楽寺。


 7番、十楽寺。昨日は、ここまで歩く計画だったのだけど……。
 昨日のオーストラリア人の女の子と会った。自転車を押しながらのお遍路。ちょっとおしゃべり。蝋燭が買いたいというので、売店まで案内。
 12番あたりは上り坂道が続くので、自転車はキツいんじゃない?って聞いたら、「12番はパスするかどうか悩み中」とのこと。順番には拘っていないので、もう少し暖かくなってから12番に戻ってくるかも、とのこと。それもいいかも。私は、順番通りに回りたいと思っているけど。


 不動明王様。かっこいい!!

 歩いている中、いろんなことを考える。いろんな感情が渦巻く。
 急に悲しくなって、ぼろぼろ泣きながら歩く。


 悲しくても、腹は減る! 徳島名物たらいうどん。
 食べていたら、けろっと機嫌が直った。単純やな……。
 四国って、うどんのイメージだけど、徳島県は、そんなにうどんのオンパレードってわけではないらしい。四国入りしてから、初めてのうどん。
 お接待で、甜茶をいただく。


 写真が斜めでゴメン。
 8番、熊谷寺。


 桜が咲き始めている。


 9番、法輪寺。めっちゃ迷った! 迷うような道ではないのかもしれないけど、なんせ、方向音痴なもので。地元の人に、何度も道を尋ねて、助けていただいた。


 10番、切幡寺の山門。


 333段の石段を上る。


 ぜーぜーと息を切らしながら上り切ると、バスツアーでお遍路に来ていたおばさまに、お接待でお菓子をいただいた。


 マネキンと一緒に休憩。

 夕方。宿までの道を歩く。
 足が痛くてフラフラ。
 ジョギング中の若い男の人に、「大丈夫?」って声を掛けてもらった。飴を頂く。
 通り掛かった車の窓が開いて、また別の人から「しんどそうだけど、大丈夫?」って声を掛けていただいた。
「平気です。ただ、藤井寺の近くまで歩くつもりなので、夜中になるのではないかと心配です。心配してても着かないから、一歩一歩、歩きます!」と答えた。
 再び歩き出す。きつい。何度も立ち止まり、短い休憩を入れながら歩く。暗くなってくると、辿り着けるかどうか、心配になる。
 立ち止まって、塀に寄り掛かっていたら、車が停まった。さっき、声を掛けてくれた人だった。助手席に、奥さんを乗せている。
 私のことが心配で、追いかけてきてくれたそう。
「さっき、声を掛けたとき、乗せてあげようかと思ったけど、男一人だと怖いかと思って」
 それで、一旦、家に戻って、奥さんを連れてきてくれたらしい。
 私は、全行程を歩きたいという拘りがあったので、抵抗があったのだが、「あなた、その足では無理よ! 乗って乗って!」と奥さんが言ってくれて、わざわざ追い掛けてきてくれた親切を断るのも忍びないし、何より嬉しかったので、乗せていただくことにした。
 車に乗るとき、足がふらついて、リュックの重さで後ろにひっくり返り、派手に転んだ。
 乗せてもらって、本当に助かった。お名前を聞きたかったが、粋じゃないかと思って、敢えて聞かなかった。後で、聞いておけばよかったと後悔。7番と8番の間にお住まいとのことなので、今度、四国に来ることがあれば、お礼を言いに行きたかった。残念。

 私を乗せてくださったご夫婦、ぜひご一報を!

 宿で降ろしてもらう。
 奥さんが「頑張ってね!」と握手してくれた。
 涙が出てきて、泣きながら手を握り返す。


 今日の宿は、ドミトリー。

 宿でチェックインの手続きを済ませた後、向かいのコンビニで夕食を買った。
「ポイント・カードを作りませんか? 四国滞在中に利用できますよ」と言われたのだが、断った。
「要らないだろうなーって思いますけど、僕だって、勧めるのが仕事ですから」と店員さんが自嘲気味に言うので、笑ってしまった。


 きれいな宿だった。ご主人のお母さま手作りのクッキーをいただいた。美味い!
 

お遍路体験記 2日目 2017年3月8日

 早朝にネットカフェを出て、歩き始める。


 渦潮で有名な鳴門市に入る。


 我がシルエット。頭の辺りがアダムスキー型UFOっぽくて気に入っている。


 ↑参考画像。


 歩き遍路向けの地図を見ながら歩いているんだけど、八十八箇所の札所ではない、お大師様の縁のお寺には、参拝するべきなのだろうか。せっかくだから、通り掛かったらお参りしておこうか。


 ということで、東林院さん。どういう縁なのかは知らないけど、地図に載っていたので。


 参拝。般若心経を唱える。


 トイレをお借りしたら、壁にこんなんが張ってあった。
 
 トイレ法
 昨日いただいた色々のご馳走が昨夜あれほどぐっすり眠っていた間にも一刻も休まず消化して今血となし肉となし骨となし栄養となし今日一日どれだけ働いても全然疲れを知らない エネルギーとなし今その不要物だけをスムーズに排泄させていただいたのである
 これほど偉大なる無限の力がこの私の身体の中にあったのである
 今日一日この無限の力で思いきり社会の為多くの人々の為に働かせていただくのだ
 今日は我が生涯の最良の日だ
 善いことだけが私を待っているのだ
 ああ有難い有難い


 十輪寺さん。ここも地図に載っていたので、寄ってみた。


 十輪寺さんから1.5キロ。やっと1番の札所、霊山寺に到着。
 やばい、寄り道のし過ぎや! 霊山寺には10時までには着く予定やったのに、実際には12時着。
 今日は7番まで歩く予定で、7番の近くに宿を取ってある。2日目から、予定が狂いまくり!
 どうも、私は時速3キロでしか歩けないみたい……。一日30キロ前後歩かな、45日で歩ききれないのに。先が思いやられる。


 マネキンがお出迎え。最初の札所なので、お遍路グッズを買いたい人が多く、立派な売店があった。私は予め、ネットですべて揃えていたけど、ここの売店で揃えることも可能。
 ただし、ここの御朱印帳は、最初のページだけではなく、最後のページにもこの1番の札所の御朱印をもらうページが設けられているらしい。
 1番から88番までの御朱印をもらうのが基本で、余力があれば、東寺とか高野山の御朱印ももらうんだけど、1番から88番まで回った後で、お礼参りとして1番に戻る人もいるの。ぐるっと円を繋げたい欲求かな。ここの売店の御朱印帳には、最後のページに「1番 霊山寺」と書いてあるから、なんとなく空白にしとくのが気持ち悪く、お礼参りに来ないとあかんことになる。霊山寺は2回、御朱印代の300円が取れる。商売上手!


 でかでかと「発心(ほっしん)」と書かれている。


 どうも、マネキンが気になる……。


 綺麗で整備されたお寺だった。人も多くて賑やか。


 2番、極楽寺に急いで行ってみたものの……。


 こんなに長い階段があるなんて、知らんかった。こういうことは、地図ではわからない。時間配分には余裕を持たないとキケン。


 3番、金泉寺。

 4番、大日寺に行く道で、迷う。すごい方向音痴なもので。紙の地図とスマホのGoogle Mapの両方を使っているし、お遍路する人は多いから、案内標識や看板も大量にあるのに、それでも迷う。人も通らぬ獣道に入っていまう。なんとか、元来た道に戻る。1時間のロス。

 大日寺までの長い坂道をダッシュ!


 4番、大日寺。


 ほんまは、もっとゆっくり寺を散策したいのに、やたらバタバタする。本堂と大師堂の二箇所をお参りする必要があり、蝋燭とお線香を上げて般若心経を唱えるだけでも、30分ぐらいは必要。


 5番、地蔵寺に着いた時刻は、16時57分。御朱印の受付が終わる3分前。御朱印は、本堂と大師堂で般若心経を唱えた証としていただくものだから、先にお参りをするのがマナー。しかし、3分前だから仕方ない。先に御朱印をいただくことに。


 お大師様! バタバタしてすみません……。

 宿のご主人に電話したら、車で地蔵寺前まで迎えに来てくれることに。できたら全行程を歩きたいので、渋ったんだけど、ご主人が、明朝も地蔵寺まで送るから、また5番から歩き出したらええやん、って言ってくれた。端から、車を使わない自己ルールを破ることに……。

 地蔵寺の前で車を待っていると、ボランティアの案内係のおっちゃんが、オーストラリア人の女の子と一緒だった。私もあんまし英語ができるわけではないけど、おっちゃんが困っていたので通訳のお手伝い。
 女の子は、自転車でお遍路をしていて、地蔵寺の境内に泊まりたいらしい。地蔵寺には、雨露の凌げる小屋があるみたい。
 おっちゃんが説明するに、今夜は檀家さんの法事があるから、ちょっとうるさいかもしれないけど、それでも良かったら泊まってOKとのこと。
 
 なんやかんやと話しているうちに、車が到着。


 宿。
 ご主人は、すごく親切で善い人なのだが、私のリュックや靴などに駄目出ししたり、夜はリビングに集まって、お遍路のベテランと話をしてアドバイスを仰げとか、やたら強制が多くてしんどかった。
 初心者の私にいろいろ教えてやろうって気持ちはありがたいねんけど、疲れていたし、ゆっくり仕事もしたいし。押し付けられるのは苦手。でも、せっかく言ってくれてるのに、断るのも悪いし……。良かれと思って言ってくれてるのに、文句ばかりのコミュ障でごめん……。

 足が痛くて、立ち上がるのも時間が掛かる。

 部屋で荷物の整理をしていたら、ご主人に、まだリビングに来られへんのかと催促がかかる。落ち着かない。

 結局、リビングで、50回以上の歩き遍路の経験があるというAさんに、いろいろとレクチャーを受けた。22時過ぎまで。

 私がどうも時速3キロでしか歩けないっぽい事実や、いかに方向音痴かという話や、2日目にして既に足が痛くて困っている話を聞いてもらった。
「あなたの話を聞いていたら、45日で回るのは無理じゃないだろうか。歩き遍路をちょっと甘く見過ぎだ。今月中に37番の岩本寺ぐらいまで行けなかったら、一旦、帰って、計画と装備の見直しをしたほうがいいのでは」
 Aさんのアドバイスは、なかなか厳しいけど、的確。

 人の話を聞くのは好きやし、Aさんは穏かで親切な人だった。勉強になり、結果的には良かったけど、仕事はできなかった。