お遍路体験記 23日目 2017年3月30日


 舗装された道を歩く。
 坂道をのぼって、七子峠(ななことうげ)を越えた。
 七子峠のベンチで休憩していたら、眼帯をした男性のお遍路さんに会った。この人は、杖の代わりに2本の登山ストックを持って歩いているんだけど、山道で滑ってバランスを崩したときに、ストックの先が目に思いっ切りぶつかったんだって。
 眼帯を外して見せてもらったけど、白目が真っ赤。お遍路が続けられているぐらいだから、深刻な症状ではないのかもしれないけど、ちょっと間違ったら失明してたかもねえ。人通りの少ない道も多いから、安全には気を付けないと。


 峠を越えて、畦道を歩いていたら、カップルのお遍路さんと知り合った。
 南米系のアメリカ人の女性と、日本人の男性。50代のご夫婦で、ミシガンに住んでいるんだって。
 今回の旅では、40番ぐらいまで歩く予定らしい。
 仲が良さそうで、うらやましい。
 2人とも、すごく気さく。今夜は同じところに泊まることがわかったのだが、宿まで荷物を持ってあげようか、と言ってくださる。私の足が、痛そうなので。
 申し出はありがたかったけど、自分の荷物は自分で持つべきやと思うから、お礼を言ってお断りした。
 私のスローペースに付き合わせると悪いから、2人には先に行ってもらう。また、宿で会えるし。


 とあるご夫婦がボランティアで営んでいる休憩所で、コーヒーとお菓子をいただく。
 旅のアドバイスなど、いろいろお話を聞かせていただいた。


 37番、岩本寺。


 岩本寺の宿坊に泊まる。桜が見える良い部屋だったが、残念ながら、今年の桜は咲くのが遅いらしく、まだ咲いていなかった。


 昆布茶。お湯を注ぐと、昆布に御宝号「南無大師遍照金剛」の文字が浮かび上がる。
 文字が出てるの、わかる?


 アメリカ人のご夫妻も含め、みんなでわいわい食事。
 85歳ぐらいのお遍路のおっちゃんに、「その足では歩きにくいと思うから、一度、整形外科で診てもらったほうがいいよ」とアドバイスを受けた。確かに、病院に行ったほうが良い気がしてきた。痛み止めとして、薬局で買ったバファリンは飲んでいるんだけど、効いているのかどうか、よくわからない。
 病院に行く時間はロスになるけど、急がば回れ、かもね。

お遍路体験記 22日目 2017年3月29日

 今日は、サボりの日。

 昨夜泊めてもらった須崎のビジネスホテルから、次の札所まで、35キロぐらいあるの。
 健脚な人が朝から晩まで歩くなら、なんとかたどり着ける距離なんだけど、いかんせん、私は歩けそうにない。2日に分けることにした。今日は15キロ、明日は20キロ歩く。
 私の足には、20キロちょっとがちょうどいい。宿の場所とか、札所の納経所の営業時間とかの縛りがあるので、ちょうどいい距離を歩けるとは限らないのだけれども。

お遍路体験記 21日目 2017年3月28日

 チェックアウトのとき、フロントの女性に、副支配人によろしく伝えてもらえるように頼んだ。車で送ってもらったし、靴を買うのに相談に乗ってもらったし。


 国民宿舎の隣の建物。多分、ホテルだと思う。
 ギリシャのサントリーニ島を模している。

 ↓サントリーニ島、いつかは行ってみたい。
 サントリーニ島wiki


 36番、青龍寺(しょうりゅうじ)。


 数珠を紛失して、捜すのに階段を上ったり、下りたり。境内で見つかった。


 青龍寺を後にして、さらに歩く。
 渡し船に乗りたい人に、アドバイス。乗り場がめっちゃわかりにくい。↑この自販機が目印。


 自販機のところを曲がった、裏手。


 渡し船が待機中。


 船に乗り込んでいいのかわからないから、待合室で待機。誰も来ないので心配になる。
 通り掛かった地元の人に尋ねると、時間になったら船の操縦士さんが来るから、待ってて大丈夫、とのこと。勝手に乗り込んだらあかんみたい。乗客がいないと思われたら困るから、待合室の戸を開けっぱなしにして待つ。
 操縦士さんが来るまで、地元の人が話し相手になってくれた。


 結局、乗客は私一人だった。


 船着場に到着。船を見送る。
 降りたとこにあるコンビニで弁当を買って、海を見ながら食べた。

 道端にあった休憩所で、お遍路の休憩所で知り合う。
 私の歩くペースが遅い、と笑われる。20日も歩いてて、まだここにいるのか、と。ゆっくり歩いて日数がかかれば、その分、宿代だってかかるねんでとお説教。
 ちょっとイラっとする。私だって、そんなことはわかってんねや。長いこと家を空けているのは心配やし、歩きながらやと、仕事もセーブせなあかんし。
 せやけど、このペースでしか歩けへんねんから、しゃあないがな。
 おじさんには、にこやかに「そうですよねー」と相槌を打っておいたけど。
 
 ただ、昨日買った靴のお蔭か、時速3キロから時速3.3キロぐらいで歩けるようになった気がする。ちょっとだけ、レベルアップか?


 今日の宿。須崎というところにあるビジネスホテル。
 須崎って場所。
 桃太郎電鉄をプレイする人には有名だけど、鍋焼うどんの町だよね。
 話のタネに食べにいきたかったけど、足が不自由なもので……。


 部屋の中は、ワンルームマンションのような造り。

カウンセリング

 この前の火曜日、心理カウンセリングに行ってきた。自分の性格の嫌な部分が直ればいいなあと思って。あと、悩みやすい傾向をなんとかしたいので。

 先生と話が合って、友達とおしゃべりするような感覚だった。

 でも、やっぱり心についての話をする行為は、精神的に負担がかかるみたい。帰ってから、変な夢をよく見る。

 次のカウンセリングまでに、あるテーマについて考えをまとめて、書いてくるという宿題が出ている。あまり考えたくない項目も含まれているので、書けるかどうか、分からない。

田牧大和『花合せ』

花合せ 濱次お役者双六 (講談社文庫)

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 ある方の話を聞いて、興味を持ったので読んでみた。
 舞台は江戸時代、主人公は女形。
 私の読書の嗜好だけなら、手に取らなかっただろう。日本の時代ものが駄目なの、私。日本史に対するセンスがない。
 はぁ~、こんな世界もあるんだな~と感心するばかり。勉強になった。
 物語の中に、変化朝顔というのが出てくる。いろんな種類の朝顔を交配させて、珍しい形状の朝顔を作るのが、好事家の間で流行したみたい。日本人って、昔からこういうカスタマイズにこだわる傾向があるのね。
 

お遍路体験記 20日目 2017年3月27日

 朝ご飯をいただくために食堂へ。
 昨日の夕食で一緒だったご夫婦はいらっしゃったが、最短28日で一周した記録を持つ、健脚のおじさまの姿は見当たらなかった。朝食をキャンセルして、早朝5時半に出ていったそうな。やっぱり、28日で歩き切るには、それぐらいの気迫がないと駄目なんだろうねえ。

 ご夫婦に見送られて、宿を出る。


 34番、種間寺(たねまじ)。


 種間寺を出て歩いていたら、外国人のお遍路の青年に、黒飴をもらった。(食べてしまったので、包みだけ撮影)
 予想だと、ドイツ人。
 外国人のお遍路さん、多いよ。特に、外国人。
 先日、鶴林寺付近の山道で、フランス人のお遍路が足を負傷したって聞いたよ。外国で怪我するなんて、心細いだろうなあ。無事に帰国できるといいけど。


 うどん屋でお昼。お接待で、アイスコーヒーをいただいた。


 鯉のぼりに、うっとり。
 まだ3月やから、出すのがちょっと早い気もするけどね。お家の人に聞いたら、近々、遠方からお孫さんが遊びにくるので、見せてやるために慌てて出したんだって。

 鯉のぼりを眺めていると、地元の女性に声を掛けられた。
 なんでも、ご主人が、しおりを作ってお遍路に配るのを趣味にしているんだって。家の近くまで来てくれたら、しおりをあげるよ、と。
 ついていく。
 家の近くまで行ってみると、ご主人がしおりを持って飛び出してきた。窓辺で、お遍路が来るのを見張っているご様子。


 何種類かあるうちから、このしおりをチョイス。
 お礼にお札をお渡しして、去る。


 次のお寺は、あの、山の中腹に屋根がちらっと見える所。
 また山登りやで。ひええええ。


 35番、清瀧寺(きよたきじ)。


 植木鉢とのマッチ感がハンパない。

 清瀧寺を出た時点で、このペースで歩いたら、次の宿に着くのは19時か20時になりそうな予感。宿に、遅くなってもいいか電話確認。次の宿は、素泊まりのドミトリーなので、夕食のために迷惑をかけることはなさそうだけれども。
 宿に電話すると、「うちは遅くなっても構いませんが、夜道はけっこう寂しいところですよ。17時までに川のところまで来てくだされば、送迎できますが」と、言ってくださった。
 なるべく歩きたいし、ドミトリーで安く泊まる客やのに、送迎までしてもらったら申し訳ない。歩くことにして、無理そうやったらタクシーを呼ぶと決めた。
 2時間ほど歩くと、いよいよ足が動かなくなってきた。足の裏が痛い。のろのろと足を進めていたら、車が停まってくれた。
 車を運転していた方が、たまたま、私が泊まる予定の宿の副支配人だった。車に乗せていただく。
 車から外を眺めていたけれど、確かに寂しい道で、夜、ひとりで歩けそうな道ではない。副支配人が車に乗せてくださって、大変助かった。


 お蔭様で、明るいうちに宿に到着。


 ドミトリー。今夜の女性用部屋の利用者は、私だけだった。


 お接待でいただいた、お蜜柑。


 道の駅で買ったお菓子。


 ↑今、ここ。土佐です。

 靴がボロボロ。いい靴を履けば、少しは歩きやすいかと思い、宿で販売していた靴を買うことにした。シマノが開発した、受注販売のお遍路専用シューズ。27000円。


 ここまで頑張ってくれた、私のボロ靴。


 新しく迎えたお遍路専用シューズ。

風邪引き中

 こんにちは。
 寒いけど、元気にしていますか?
 私は先週から風邪を引いています。かなり頑丈な体なので、いつもは風邪を引いてもすぐに治るんだけど、今回の風邪は引きずっています。熱と寒気とめまいと咳と鼻水と頭痛と吐き気と腹痛と咽喉の痛みで忙しい。いろいろやりたいことがあるので、早く治りたいです。
 明日が締め切りの仕事があと13時間分残っているので、クリミナルマインド(アメリカの異常犯罪ドラマ)でも見ながら、ぼちぼちとやります。
 ではまた!

お遍路体験記 19日目 2017年3月26日


 朝から坂道を上る。酸欠で、めまいが。
 休みを挟みながら、少しずつ足を進める。


 坂道を上り終えたかと思ったら、石段が続く。


 31番、竹林寺。

 竹林寺を出て、長い下り坂を下りる。昨日の雨で石段が滑りやすく、ちょっと怖い。
 石段を下り終わったところで、声を掛けられた。
 お遍路のおじさん。13番、大日寺の近くの宿で一緒だったらしい。そういえば、お会いしたような。
 しばらく、立ち話。靴が駄目になってしまったので、靴屋で新しい靴を買ったばかりなんだって。
 私の靴も、かなりボロボロの状態。
 おじさんに、竹林寺への道を教えて、別れた。


 おじさんと別れてすぐ、別のおじさんが待ち構えていた。今度は、お遍路さんではなく、地元の人。缶コーヒーをお接待していただいた。感謝して、飲みながら歩く。


 32番、禅師峰寺(ぜんじぶじ)。思ったよりも遠かった。やばい。時間が厳しい。
 今日は33番、雪蹊寺(せっけいじ)への参拝まで済ますつもりなんだけど。納経時間の17時までに、間に合う自信なし。

 禅師峰寺を出て、雪蹊寺へ急ぐ。
 雪蹊寺へ行くには、海を渡らないといけない。フェリーが出てる。もしくは、浦戸大橋という長い橋を渡るか。
 お大師様がお遍路をしたときは、フェリーに乗っていないはずなので、ここは橋を渡るべきだろうと考え、橋をチョイス。
 が、このチョイスは失敗だった模様。
 歩道が狭い! 隣を車がビュンビュン通り過ぎる! 怖い~~。

 命からがら、橋を渡り切る。道に迷ったりしながら雪蹊寺を目指すが、納経時間にとても間に合いそうにない。
 諦めかけたそのとき、突然、横を通りかかった車のサイドミラーが開いて、運転していたおっちゃんが、「これから雪蹊寺に向かうんでしょ? 今ならまだ間に合う! 急いで!」と励ましてくれた。感化されて、猛烈ダッシュ。


 33番、雪蹊寺に着いたのは、16時59分!!!
 納経所の女性が、片付けを始めようと外に出たところだったが、息せき切って走り込む私の姿を見て、納経所に戻ってくれた。


 本日の宿。雪蹊寺の真正面。
 
 数日前、ヨドバシカメラのオンラインストアで購入したイヤホンを、この宿に届くように注文していた。イヤホンが壊れたの。宿にお願いして、荷物を受け取ってもらっていた。無事に届いていた。


 土佐名物のかつおのたたきを夕飯にいただいた。
 写真にビールが写っているけど、私のじゃないよ~。一緒に食べたおっちゃんの。
 おっちゃんや、車で周ってらっしゃるご夫婦と一緒に食事。浦戸大橋を渡った話をすると、笑われた。フェリーに乗ればいいのに、って。お大師様は舟は利用したから、フェリーは乗ってもOKやねんで、と。
 おっちゃんに、明後日の移動では、渡し船(フェリー)も利用できるって教えてもらった。フェリー乗り場を教えてもらう。
 なんか、このおっちゃんは、何回もお遍路に来ていて、毎回、すごいペースで歩いているみたい。最短記録は、28日で一周。私、今日で19日目で、まだ33番……。
「そりゃ、遅いわ!」って、突っ込まれた。

お遍路体験記 18日目 2017年3月25日


 晩ご飯は出ない宿だったけど、朝ご飯は付いていた。
 お遍路ではない、家族連れの姿もあって、新鮮だった。


 二十八番、大日寺。


 やっぱり、お地蔵様が気になる私。絵に描きたい。


 大日寺を出て、しばらく歩いたところで見かけた、でっかいお地蔵様。かっけえええ。


 どうも、昔は川に橋が架かっていなかったので、このお地蔵様のところから渡し舟が出てたっぽい。舟乗り場の目印として機能していたのね。


 29番、国分寺。


 国分寺の近くで買った、へんろ石饅頭。ずっしりと重い。素朴な味。


 休憩所の感想ノート。

「昨日友人とささいなケンカ……一人で29、30にむかっています。
 早くなかなおりして、一緒にまわれる、出会えるといいです。
 あと一歩勇気が欲しいです」

 その後、仲直りできたのだろうか。気になる!


 30番、善楽寺。


 今夜もインターネットカフェに宿泊。
 へんろ石饅頭を夕飯代わりにする。

お遍路体験記 17日目 2017年3月24日


 お昼ご飯は、観光案内所がお勧めしてくれた店に、しらす丼を食べに行った。


 店員のおばちゃんが、語尾に「じゃこ」を付けるのが、やたら気になる。
「いらっしゃいじゃこ~!」、「ありがとうじゃこ~!」って感じ。


 公民館みたいなところで、立派なお雛様が展示されていた。


 車に乗った女性が、わざわざ車を停めて「乗りませんか?」と声を掛けてくださった。
 歩きたいから、とお断りしたが、お菓子はいただいた。食べながら歩く。


 別の女性からいただいたカイロ。

 犬の散歩をしているおじさまに道を尋ねたら、「泊まるところはあるの? この先のお堂で、よくお遍路さんが野宿してるけど?」とのこと。
 無料の宿泊所は使わないことに決めている。だって、誰が入ってくるかわからんやん? 怖いから。男だったらチャレンジするかも、だけど。

 なかなか宿に着けず。日が暮れてきて、心細い。
 実家の母から、電話がかかってきた。「お好み焼きをたくさん焼いたから、食べにけえへん?」とのこと。
 お遍路に出ていること、母には話していないのだ。というか、会社を辞めたこと自体、話していない。ちゃんと生活できるのか、心配すると思うので。言うタイミングがなく、会社辞めてからもう1年になる。このまま言わなくてもいいかな、と思ってるの。


 宿に着いた。静かで落ち着いた宿。
 夕食のない宿なので、コンビニで買った食料で夕食を済ませた。