第9回公判(判決日)

 12月19日。
 通い続けた公判の、判決日です。
 傍聴券を得るための列に並ばねばなりません。列は屋外に作られます。寒空の下、長時間に亘り並ぶのは、風邪気味の私には堪(こた)えます。
 並ぶ時間が少なく済むように、抽選時間のギリギリに出掛けました。
 いつもは地裁を訪ねる前に、太融寺に寄っていました。阪急梅田駅から地裁へ向かう途中にある、大きなお寺です。大師堂で般若心経を読んで、気合いの入ったところで抽選に挑む訳です。
 が、今回は、ギリギリに出掛けたため、お寺に寄る時間がありません。地裁に直進します。
 抽選場所に駆け足で到着すると、人集(ひとだか)りができていました。優に500人は超えていそうです。(あとで報道を確認すると、559人でした)
 傍聴席は、48席。競争率11倍です。
 まあ、当たらんやろうなぁ、と。
 気負わずに抽選結果を待った結果――なぜか、当たり。
 素直に喜ぶべきなのでしょうか。当選が、善いことなのか、悪いことなのか、わかりません。判決を聞けば、きっと気分が重くなる訳で。自宅での仕事も山積みなのに、傍聴のためには、待機時間も含めて何時間も拘束されます。今日は太融寺のお参りもできていないので、当選は逆に不運な結果である気もします。
 いつも傍聴に来ていたJKの姿を捜しました。彼女こそ、判決を見届けるべき人です。姿を見つけられたら、傍聴券を譲ってもいいな、と思ったのです。
 が、見当たりませんでした。
 ここは腹を括って、判決を聞くしかありません。
 15時開始予定の裁判は、5分遅れで始まりました。
 主文が後回しにされた時点で、極刑が下されると察せられました。
 判決理由が、約1時間半に亘り読み上げられます。
 要所要所で記者たちがバタバタと出入りするので、騒がしいです。
 被告人が中央の席に座らされ、主文が読み上げられます。
 判決は、やはり、極刑。
 被告人は、取り乱すでもなく、外から見た限りは落ち着いた様子で判決を聞いていました。
 裁判が終わり、被告が法廷を出るまで見守りました。
 おそらく控訴するでしょうが、私は高裁・最高裁まで追うつもりはありません。被告人の姿を見るのは、これで最後でしょう。
 トボトボと歩きながら、地裁を後にしました。判決まで見届けられた報告とお礼で太融寺にお参りしました。 
 

今日は後ろ向き……

 ちょっとお久しぶりです。
 ここ数日、体調を崩しています。仕事を半分にして、なるべく身体を休めるようにしています。ただの風邪なので、心配しないでね。

 この夏に、いろいろなストレスがあり、肩と背中に湿疹ができました。いまだに皮膚科に通っています。露出の少ない冬だから、まだ良かったです。

 彼氏とは、月1回のペースで会っています。
 赤裸々な話で恐縮ですが、肌が酷い状態なので、脱げません。夏からずっと、我慢してもらっています。
 彼氏は「ご飯だけでいいよ」と言ってくれますが、彼女の務めを果たせていない状況が申し訳ないです。早く治さなきゃ、と気持ちだけが逸り、余計にストレスが掛かります。治るまで会いたくない気持ちです。

 おそらく、執筆もストレスになっていると思います。楽しむために書いているはずなのに、本末転倒です。

 今日も、夕方から寝ていました。母から電話がかかってくる悪夢で目が覚める有り様。
   

東京からの見学者

 東京から、知人が小説教室に見学に来ました。

 お土産に、おとぼけ豆をいただきました。

 学校帰りに、見学に来た知人と、教室に通っている別の生徒と私の3人で、スタバで軽くお茶をしました。

 知人は来期から、教室に通うか、迷っています。

 東京から新幹線での通学は、金銭的にも体力的にも時間的にも大変ですよね。
 今の生徒さんで、長崎から通っている人もいるよ。遠方からの人は、月二回のレッスンをすべて受けるのは難しいから、休み休みで来ています。
 東京からの生徒さんもいる。千葉からも。
 みんなのガッツと向上心は、尊敬する。遠方からでも「来たい」と思わせる、先生の人気もすごい。
 教室に通っていると、一流の先生に見てもらえている安心感は、あるよ。安心感に甘えずに、自分に厳しく文章に向き合っていきます。

第8回公判

 被害者遺族の意見陳述の日。

 被害者少年の母、被害者少女の母と姉が、意見を述べました。

 被害者少女の姉の話が、特に印象に残りました。

 事件の前夜。被害者二人は、被害者少女の家で、ハムスターを見ていました。外は雨です。被害者二人は、「雨が止んだら、外出する」と言ったそうです。
 姉は、「『もう遅いから、やめときぃ』と止めれば良かった」と自責の念に駆られています。事件発生から、3年間ずっと、自分を責め続けているのです。

 両遺族ともに、「極刑を強く望む」と述べました。

 明日は、検察官による求刑です。

第7回公判

 第7回公判は、精神科医への質問から始まりました。前回(第6回)でも証言した女性精神科医が、証言台の前に座ります。
 被告人の「狭義の精神障害は否定される」としたうえで、「ASD、ADHDの発達障害の傾向は認められる」としています。精神の病は、異常・正常をはっきりと切り分けられるものではなく、境界線は曖昧です。症状の度合いは、グラデーションになっています。
 また、被告人に「明確な自覚と決意があれば」更生できる可能性はある、と。

 午後からは、被告人の供述です。
 事件の経緯を、一通り聞きました。
 聞いた感想は、「そんな訳、ないやろ……」です。真実を隠している様子です。でも、嘘は上手くない。

 情状に関する証人として、心理学者が登場。
 更生の可能性が「あり」と証言しました。
 検察官の質問により、学者は、これまでの刑事事件の被告人の全てに更生の可能性を肯定している、と判明。しかも、これまでに鑑定してきた被告人が、実際に更生したかどうかの追跡調査はしていません。

 判断が、難しい。
 被告人の話し振りを見ていて、他人とのコミュニケーションの困難さは伺い知れます。
 うまく自己表現できないところは、三年間に亘る拘置所生活でのストレスも起因するでしょう。
 一方で、前科で刑務所を出たあと、2~3か月で恋人を作り、今回の事件で逮捕されるまでの間、関係を続けてきたことからも、ある意味ではコミュニケーション能力があるとも考えられます。

 

スワーミ・プールナアムリターナンダ・プリ講演会

 Swami Purnamritananda Puri(スワーミ・プールナアムリターナンダ・プリ/愛称「スワミジ」)の、二日間に亘る講演会に行ってきました。

 スワミジ大阪特別プログラム2018

 一日目は聖典『バガヴァッドギーター』の解説。
 二日目は、瞑想、講話、フルートの演奏。

『ギーター』の解説を聞いていて、ふと思ったんだけど、なぜ『ギーター』は、入れ子構造になっているんだろうね。
 盲目の王ドリタラーシュトラが、詩人サンジャヤに、戦場の様子を尋ねます。
 サンジャヤが王に語った内容が、『バガヴァッドギーター』なのです。
 戦場の様子を直接に語らず、なぜサンジャヤが王に語るメタフィクションにしてあるのでしょうか。謎です。
 質問コーナーで、スワミジに尋ねればよかった。

 人間の情念が渦巻く裁判所に連日に亘って通っていて、心が滅入っていました。
 スワミジにお会いして、瞑想を習慣とする静かな人たちと集えて、気持ちが軽くなりました。

 一緒に行ってくださったTさんにも感謝。
 Tさんから、プレゼントを戴きました。
 ハーブ。レモングラスとシナモンリーフの二種類。Tさんのご友人が、徳島のご自宅で作ったものです。
 お香は、ネパールのチベット伝統医学のクリニックで売っているものです。クリニックには、孤児院も併設されているそうです。

dav

 

第6回公判

 先週の水曜日は、第5回公判だった。
 被告人が事件について説明する回なので、ぜひ傍聴したかった。
 なのに。
 道に迷って、傍聴券の抽選までに間に合わなかった……。
 連日、地裁を訪ねているのに、なぜ迷うんや……。
 地裁に着いたときには、ちょうど当選番号が張り出されていた。
 200人近くが約50席に対して抽選に挑んだ模様。
 もし抽選の列に並べたとしても、当選しない可能性が高かったんだ、と、自分に言い聞かせました。
 すべての公判の抽選に参加すると決めていたのに。決めたことをきちんとこなせない自分にガッカリ。

 そして、翌日(木曜日)。第6回。
 傍聴席の抽選の列に並んだ人は、80人弱の模様。昨日に比べ、かなり少ない。
 抽選に当たった。
 被告の精神鑑定を行った医師による報告。
 神奈川の女性精神科医。綺麗な人だったよ。美人精神科医。こんな、ドラマの登場人物みたいな人が実在するんだなぁ。サスペンス・ドラマに仕立てるなら、沢口靖子さんが演じそうな感じ。
 弁護士サイドの質問の中に、ちょっとイラっとさせるような問い掛けが含まれていた。受け止め方によっては礼を欠くと感じられる質問に対し、女医は笑顔で「(そのような質問は)不愉快です」と答えた。
 自分の感情を率直に話す。精神医療のスペシャリストだけあって、アサーション(自己表現)ができる人だ。(続く)
 

第6回公判(続き)

 公判に通い始めた当初から、ずっと気になっていることが。
 傍聴席に、一人で来ている女子高生がいるの。
 制服姿の女の子が、いつも、一人か二人。
 違う制服を着ているから、それぞれ、別の高校に通っているっぽい。お互いに話している姿を見ないから、女子高生同士は、面識がないのかも。
 彼女たちが、なんで傍聴しようと思ったのか、知りたい。
 他人の事情の詮索は、上品な行いではないけれど、好奇心が抑えられない。
 休憩時間、近くに座っている女子高生に訊いてみた。
「あのね、すっごく気になるから、差し支えがなければ教えてほしいんだけど。あなたみたいに、一人で傍聴している女子高生を見掛ける。法律の勉強で来ているのか、それとも何か別の事情なのか。理由を教えてもらえないかなぁ?」
 女子高生は笑顔で、「ちょっと……」と。
「(被害者の)お友達とか?」
 笑顔を返してくれたけど、「ちょっと」と繰り返すだけだった。
 これ以上の詮索はマナー違反だと断念し、「ごめんね、突然に声を掛けて」と、自席に戻った。
「お友達?」と尋ねたときの反応から察するに、おそらくは、被害者の友人だろう。事件当時、被害者は中1だった。事件から3年が経過するので、生きていれば高校1年生だ。
 女子高生と話す機会がないから、緊張した。見ず知らずの大人が話し掛けて、びっくりさせたかもしれない。ちょっと罪悪感。
 それにしても、女子高生って、かわいいなぁ。どの子も皆、かわいい。
 裁判では、十代には聞かせたくない犯罪内容も含まれるので、女子大生が来ている日は、勝手にハラハラする。
 彼女たちは、どんな気持ちで裁判を見ているのか。本当は、もっと深く話を聞いてみたいんだけど。でもねえ。

第4回公判

 相変わらず、地裁に通っています。
 火曜日の第3回後半は、傍聴券の抽選に外れました。ただの散歩に。
 無駄足の可能性がわかっていても、とりあえずは行ってみています。
 行っても傍聴できないかもしれないけど、行かなかったら絶対に傍聴できない。
 傍聴券が当たった場合、嬉しいかといえば、そういう感情はないです。
 裁判所には色んな人の思惑が渦巻いているから、その場にいるだけで緊張を強いられます。しかも、今回は重大事件なので、荷物チェックや身体検査が厳重。筆記用具などの許可される携行品以外は、全部、預けなければならない。休憩でトイレに行くたびに、身体検査を受けます。
 しんどいのに、なぜ通い続けるのか。私自身にも理由はわかりません。
 いろいろと考える機会になっているのは、確か。

 第4回は、当たり。
 熱中症対策の研究をされている医師の方が、証人として呼ばれました。

 被告人は、被害者の二人のうち、男の子に対しては、「(熱中症などの)体調不良で〇んだ」と主張しています。
 実際に、熱中症で〇ぬ可能性があるのか、医師の見解が説明されました。

 被害者の男の子は、毎日、部活動に通うぐらい、健康。状況を考え併せても、短時間に熱中症に陥り、〇ぬ可能性は、極めて低い、と。
 医師である以上、「絶対にない」との断言はできないけれども、ほぼ「ありえない」との見解です。

 傍聴席から観察していて、被告人の挙動が、すごく気になります。
 私たちのいる傍聴席に顔が見えるのを、極端に嫌がっている様子。マスコミへの反発なのか、私のような一般傍聴人への反抗なのか。
 退廷の際も、傍聴席を背に、不自然な横歩きで去っていきます。
 心を許していない。自分の見え方に対する極端な拘り。神経質な気質も伺えます。