大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ⑥ 2020年6月16日 2日目

 公判2日目。

【裁判官・裁判員からの被告人質問】
Q:リスペリドンの服用の中止後に、体重24キロ減、ご飯の味がしない、との状況があったと聞いたが、他に自覚症状は?
A:夜、急に眠れなくなった。睡眠が短く、熟睡できない

【鑑定人質問】
 被告人の心理鑑定に当たった専門家に質問。
 初めに鑑定人による鑑定の説明があり、次に弁護人・検察官・裁判官・裁判員の質問。
 ※当鑑定人は、基本的に事件から数カ月が経過した後の複数回に亘るインタビューのみ。
  事件直後に別の専門家が実施した心理テストの結果を参照している。
  心理テスト時に実施されなかった頭部のMRI検査は、当鑑定人の指示で追加で実施。

・被告人は覚醒剤精神病(遷延持続型)である。

・遷延持続型とは→長く続くこと。
 覚醒剤精神病は、覚醒剤をやめた後にも数年間に亘り続く場合がある。

・覚醒剤精神病の症状:
 関係妄想(「自分が噂されている」等、自分に関係あるかのように妄想する)
 被害妄想
 追跡妄想(「誰かに追い掛けられている」)
 注察妄想(「誰かに監視されている」)
 幻覚妄想

・統合失調症と覚醒剤精神病の症状の違い
 統合失調症→支離滅裂な妄想を抱きやすい
 覚醒剤精神病→ある程度のリアリティをキープ(登場人物が知り合いである、等)

・複数の心理テストのうち、2つが性格の暴力性を示した
 ロールシャッハ・テストとMMPI(ミネソタ多面的人格目録)

・IQは82である。(標準の域)

・角野は普段は温厚だが、人への執着が強く、大切な人に裏切られたと感じたら暴力的になる傾向がある。
(町河に裏切られた妄想を抱く→犯行に及ぶ)

・犯行には、覚醒剤精神病以外にも、生活環境的なストレスも影響したと思われる
 →生活保護を受け、仕事に就かない状況だった。
  先の見通しが立たない(仕事・生活上の展望
 →生活が安定していれば、被害者にそこまで執着しなかったのでは?

Q:町河は事件前夜に「私のこと、クソガキやと思ってるんやろ?」と発言したとされるが、角野の妄想の可能性は?
A:ない。妄想は基本、相手が離れている時に、現実でないことが見える・聞こえる。町河と対面している状況での幻聴はないだろう。

Q:角野の見せた狂暴性は、病気によるものか性格によるものか?
A:本来の性格に、病気の妄想が加わった。

Q:性格と病気の違いは?
A:性格→思考・行動パターン
  病気→その人にくっ付いているもの。その人そのものではない。治癒が可能

【被害者遺族の意見陳述】
・町河の妹が出廷
・1日目に検察官が読み上げた文書と、ほぼ同じ内容を口頭陳述
・感情的になり、涙を流しながらの訴え
・本来は母親も来る予定だったが、事件以来体調を崩し、来れなかった、とのこと
・中学生になった長男の制服姿を町河に見せられなくて悔しい
 (町河も入学式を楽しみにしていた)
・心のある人間が、鋏で背中や顔を何度も刺す訳がない。角野の発言には納得いかない。

(2日目、終わり)

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