大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ⑨ 2020年6月23日 4日目(最終日)

 公判4日目(判決日)。

【判決】
 懲役16年。

※前科/暴力性/強固な殺意/自首/判例による量刑傾向を考慮した結果

【傍聴人(私)の所感】
 4日間を通して裁判を見てきた訳だが、妥当な判決と感じた。

 覚醒剤精神病の影響は明らか。病気の影響に関してどこまで減刑するか、が難しいところ。

 判決を聞いた時、始終蒼い顔をしていた被告人の首元が、更に蒼くなった気がした。2人の弁護人たちも浮かない顔をしている。きっと弁護側には不服な量刑だったのだろう。

 懲役16年。56歳の時の犯行で、拘留期間は減算される。出所は72歳。被告人からしたら大変に長い時間だろうが、遺族にとっては心配も残るだろう。逆恨みによって危害を加えられるかもしれない、と恐れている依属。将来、被告人が刑務所から出てくる可能性を考えると、安心はできない。

 私は法律に詳しくないのだが、刑罰とは何のためにあるのだろうか?
 犯罪者の更生のため?
 あるいは、遺族への償いのため?

 今回の事件の判決で、裁判長の読み上げた主文の内容によると、量刑には「被害者遺族の強い処罰感情がある」ことも加味されているようだった。

 被害者の妹が意見陳述をした際に泣き崩れ、それを見た若い女性の裁判員が貰い泣きをしていた。

 遺族の感情に流されて量刑が重くなることがあって良いのだろうか?

 たとえば殺された人間に遺族がいない場合、悲しむ遺族がいる場合に比べて、加害者の刑罰は軽くなる可能性が高い。

 私は家族と上手くいっていない。現在の司法制度だと、もし私が殺されても遺族の被害者感情の点では量刑は重くならないだろう。「あなたは命が軽い」と世間にジャッジされているようで、少し辛い。まあ、悲しむ人が少なくて済む点では恵まれているのかもしれないが。それでも釈然としない。

 今回の事件で、もう1つ気になる点がある。

 反社会勢力の組員の嶋本(角野が町河の浮気相手だと思い込んでいた人物)については、法廷において捜査・取り調べの有無が一切、語られていない。

 浮気も監視もすべて角野の妄想ではあろうが、なぜ一度も嶋本本人に裏を取ったかどうかが法廷で述べられないのか。何か話せない事情があるのか、それとも、モラル的に反社との接触ができないからなのか。裁判を通しで見ても、把握できる事実はほんの一部である、と思い知らされた。(終わり)

 

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