(前回の続き)
ホテルに戻って仕事。チェックアウトは翌朝の10時だと思っていたけど、旅行会社との提携特典で12時まで部屋を使っていいとのこと。おかげで朝方に仕事を済ませてから軽く寝ることもできました。
2日目に行きたいところは1か所だけ。老舗の洋菓子店の喫茶室でケーキを食べること。
私の推し作家である柚木麻子さんが小説『BUTTER』の中で、ここのケーキを登場させています。
開店時刻を過ぎてからお店に電話で「柚木麻子さんの小説に出てくるケーキが食べたいのですが」と問い合わせ。
「小説に出てくるケーキとは、どんなやつでしょうか?」
『BUTTER』を読んだ人の間でケーキが話題になっていたので、てっきり店員さんも知っているものと思っていたのですが、通じなかったです。
「小説に出てくるのはクリスマスケーキなんですが、今の時季は置いてないですよね? ただお店のWebサイトを拝見した限り、バタークリームケーキが同じ味なのでは、と思っています。それで合っていますか?」
「ああ、当店のクリスマスケーキは、バタークリームケーキと同じ味ですよ。飾りつけが少し違うだけで。お取り置きしましょうか?」
取り置きをお願いして、銀座のお店に出かけました。
ケーキは取り置きしてもらえましたが、席に予約はできないシステム。整理券をもらって、店の前で待つこと30分。
ついにケーキとご対面。じゃあああああん。
紅茶はキームンです。
ケーキ、すごくおいしかったです。バタークリームが濃厚だけどしつこくなくて、どこか懐かしい味。
会計するときに、レジ係の方に「今朝、お電話くださった方ですよね?」と話しかけられました。
「そうです。ケーキが食べられて満足です」
「ありがとうございます。小説について調べたんですけど、『BUTTER』ですよね?」
「わざわざ調べてくださったんですね。嬉しい」
「はい、あらすじを読んだのですが、面白そうですね。読んでみたいです」
「ぜひ。おすすめします」
店員さんに対して好きな本の布教に成功しました✌ 本、面白がってくれるといいけど。なんせ死刑囚がその店のケーキを気に入っている、という特殊設定なので、どうかなぁ(*_*;
というわけで、旅の記録は終わり。
ブルーノ・マーズの歌声は素敵だったし、念願のケーキは食べられたしで、思い切り楽しめました。また近いうちに再訪できますように。