扉が開きそう

 暑いので、ほぼ家で過ごしています。部屋のエアコンはつけっぱなし。特に現状の生活には金銭面で困っておらず、たまに近所でお茶をしたり、本を読んだりできているので平穏です。来月が怖いけれど。来月は私の誕生日です。誕生日になると母が私を思い出して連絡をよこしてくる可能性があり、特に当日は怯える羽目になります。母親恐怖症なもので。家に押しかけてこられたらどうしよう。今年も外で過ごすことを検討したけど、夏休みなのでどこへ行っても混んでいるし、この暑さでしょう? 行きたいところも特にないし。

 たぶん、父は亡くなったと思います。

 最後に会った時点で、かなり身体が悪かったので。5年前くらい。家族問題の相談センターに行ったときに「とにかく現状を確認しては?」とすすめられたので戸籍謄本で生死を確認しようとは思っています。が、積極的に確認する意欲が出ず。戸籍謄本を確認するとしたら、次にパスポートを更新するときかなぁ(更新手続きに必要になるので)。海外に行く予定は今のところないから、いつになることやら。1か月ぐらいタイでワーケーションするのに憧れてはいるんだけどね。

『寝ながら学べる構造主義』を読んでいますが、私の心にグッとくる内容です。大学院生だったころのイキっていた自分を思い出します。いつもイタリア語の重い辞書と、澁澤龍彦さんの文庫本がカバンに入っていたあのころ。フランス文学のゼミでロラン・バルトの本を原文で読もうとして(教授は日本語でいいとの指導だったけど、私は「やっぱり原文で読むべきでしょう」と鼻息を荒くしていた)、フランス語の学習不足でバルトの思想以前に文章の言語的意味を理解できずに周囲を困らせていました。憧れている人がそばにいたから、その人に認められたいがばかりに自分を大きく見せようと必死だった。あのころは苦しかったなぁ。でも苦しんでいた分、今よりもずっと伸びしろがあった。

 本をとおして久しぶりに構造主義に触れて、長らく封印していた記憶の扉が開きそうな感じ。大半が嫌な思い出なので、いちいちまともに取り合わないように避(よ)けるのが大変。

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