大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ④ 2020年6月15日 1日目

(前回の記事の続き)

・2020年3月10日(事件当日)午前
 町河→ユニットバスで歯磨き
 角野は町河に頼まれ、歯磨き粉チューブの蓋を開けてやる
 (手を傷めていたため)
 角野は前夜の町河の「クソガキ」発言にモヤモヤしていた
 →問い質したい
 →キッチン鋏を持ち出す
 →町河のいるユニットバスに移動
 →脅せば、本当のことを話すと思った
 (本当のことを話せば許すつもり)
 →脅すつもりで、背中を刺した
 (殺意の有無については、記憶が曖昧)
 →町河は「ごめんね」と言った気がする(記憶が曖昧)
 →気が付いたら、死んでいた(呼んでも応答なし)
 →血だらけだったので、洗ってあげなければ、と思った
(→服を脱がせる?)
 →体を洗い、シャンプーは2回
 嶋本の声「やっぱりやったか」
 →はめられた、と気付いた
 死のうと思ったが、できなかった

・2020年3月10日(事件当日)午前
 世話になった人たちにTEL→自首すると報告
 嶋本の取り巻きにTEL(関わりのあった証拠を残すため)
 町河の家族にTEL
 大変なことをした、との想い
 警察に通報→自首
 (約20分後)警察到着→緊急逮捕

【弁護人からの質問】
Q:リスペリドンをやめてから、どんな症状が?
A:音に敏感/ご飯が味気ない/
  痩せた(23キロ)/
  ※ただし、もともと100キロぐらいありそうな体格
  幻聴・幻覚の悪化/眠れない/円形脱毛症

Q:リスペリドンの服用の中止について、医師に相談は?
A:やめてから知らせた
  →しばらくやめてみよう、との話になった

Q:町河について思うことは?
A:大切な人だった/嫌いになったことはない
  冥福を祈り、謝罪し続ける
  町河の家族に迷惑を掛けた/申し訳ない
  町河の家族・子供たちの人生を変えてしまった

Q:町河が浮気していたのは妄想では
A:妄想ではない。事実と確信している

(続く)

カテゴリー: 未分類 | コメントする

大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ③ 2020年6月15日 1日目

(前回の記事の続き)

・2020年2月28日
 角野が町河と口論→鋏を振り回す→町河が逃走→公衆電話から通報
 口論の原因:角野が町河の携帯電話を見る
 →GPS追跡履歴にて、1月1日の町河が角野のマンションに来ていた
 →角野には町河が来た記憶がない
 →5階で嶋本と会っていたと解釈→問い詰める

 身に覚えのない浮気を問い詰められた町河は、鋏を振り回す角野から逃亡
 携帯電話を奪われたので、外の公衆電話から警察に通報
 警察到着
 町河から警察へ;「角野と別れたい」
 警察が、外を徘徊していた角野を発見→町河の意思を伝える
 →角野:「別れたくない、謝りたい」
 警察を介しての間接的な交渉の結果:
 町河:「1週間考えたい」
 角野:渋々了承

・角野から町河へ、LINE通話やメッセージで何度も謝罪
 →3月1日までに仲直りを果たす

・2020年3月9日(事件前日)
 当日の角野の行動:
 朝:病院へ。デイケアを受ける
 11:30~19:00:町河を含む8人ほどでカラオケ
 夜:町河と2人で食事(鳥貴族)→スーパーに寄る
 21:30:2人で角野のマンションに行く→世間話
 セックスをした時に、町河が「私のこと、クソガキやと思ってるんやろ?」と発言
 角野は「クソガキ」発言を、浮気の告白と解釈
 (嶋本と浮気するような悪い女だと思っているんでしょう?との意味に曲解)
 問い質したかったが、2/28のようにまた喧嘩になりそうなので、問い詰めることなく睡眠薬を飲んで寝た

(続く)

カテゴリー: 未分類 | コメントする

大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ② 2020年6月15日 1日目

(前回の記事の続き)

・2020年8月、自己判断でリスペリドン(抗精神病薬)の服用をやめる
 ※リスペリドンと睡眠導入剤を服用していたが、睡眠導入剤のみを服用することに
 - リスペリドンをやめた理由→しんどい、眠れないといった症状は、リスペリドンのせいでは、との疑惑が出てきた
  →事実、リスペリドンをやめてから眠れるように

・リスペリドンの服用中止を主治医に黙っていた
 →ホームヘルパーにバレる→「主治医に申告せよ」との勧めを受ける
 →主治医に話す→「中断してみようか。調子が悪いようなら、また服用すればいい」との意見を得る

・妄想の悪化
(リスペリドンの服用中止が一因と思われる)

・妄想の内容:
 幻聴→「お前は要らない」、「死ね」、「邪魔だ」
 ※昔から聞こえており、自殺未遂、自傷行為の過去あり

 嶋本と取り巻きから監視の嫌がらせ
 →50台~200台の車を使って、監視・待ち伏せ・追跡

 嶋本と取り巻きから騒音を出す嫌がらせ
 →マンションの上の階(7階)で、わざと足音を立てる
 →下の階(5階)で20~30分おきに人の出入りを続ける
 →5階で給湯器の水を出しっ放しにする
 
 5階には嶋本と町河が出入りしている(声が聞こえる)
 →2人で浮気をしている(覚醒剤とセックス)
 →嶋本の指示で、町河は取り巻きたちともセックスをしている
 ※実際には、嶋本と町河に面識はない

 電話中、町河の電話の傍で嶋本の声がした

 町河の態度や顔つきが普段と違う時があった
 →嶋本と一緒になって自分を馬鹿にしていると解釈

 2020年1月ごろ
 嶋本の取り巻きの声で、
 「今の女を整理し、片付けろ」との声が聞こえる
 →殺せ、との指示と解釈
 →町河を助けたかったので、指示は無視した

・2020年1月ごろ
 浮気の決定的な証拠を掴みたい
 →町河の自宅にビデオ・カメラと音声レコーダーを仕掛ける
 →後日回収。浮気現場の音声・映像が撮れた(と角野は主張)

・後日 
 角野は町河に、証拠の音声・映像データを突き付けて浮気を問い詰めた
 (罪を認めさえすれば、許すつもりでいた)
 →映像を見せようとしたが、町河は「しんどくなるから、やめて」と拒否
 →録音データは一緒に聴いた
 →町河が「ごめんね」と謝ったので、許すことにした
 ※機材は駅のゴミ箱に投棄
  データも一切、残っていないとのこと

(まだまだ続く)

 思ったよりも長くなりそう……。数日は、傍聴関連の投稿になると思う。興味のない人、ごめんなさい。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

大阪地裁傍聴記 生野区の殺人事件 ① 2020年6月15日 1日目

 大阪地方裁判所に、裁判傍聴に出掛けた。
 梅田駅からちょっと歩くんだよね。40分ぐらい?
 帰宅してクタクタやけど、内容を忘れないうちに記録しておく。

 ※一部、デリケートな内容あり。苦手な方はご遠慮ください。
 ※登場人物の名前は仮名です。
 ※私のメモのミスや記憶違いで、事実と異なることを書く可能性がありますが、ご了承ください。

【主な登場人物】
・角野(56歳)→被告人
・町河(45歳)→被害者。角野の交際相手
・嶋本→暴力団組員。角野の組員時代の兄貴分

【事件の概要】
 2020年3月10日の午前、被告人である角野は、大阪市生野区の某マンション6階にある自宅のユニットバスにて、交際相手(町河)を刃渡り8.5センチのキッチン鋏で殺害。
 同日午後に自ら警察に通報。駆け付けた警察官は、バス・タブの中に全裸で仰向けになる町河を確認、角野を緊急逮捕した。

 裁判の争点は、責任能力の程度。
 弁護側→覚醒剤精神病による精神耗弱を主張
 検察側→完全責任能力有と主張

【経緯】
・角野は長野県の4人家族で育つ
 家族構成は父・母・本人・弟
 ※現在:父母は死去、弟とは絶縁

・野球の特待生として高校に入学
 1年後に喫煙が見つかり、退部。高校を中退する

・14歳ぐらいから、覚醒剤に手を出す
 (19歳から、との供述もあり。実際の時期は不明)

・レストランで働く

・バイクのレーサーに転身するが、長くは続かず

・覚醒剤の使用、窃盗、暴行などの前科

・30代で再びレストランで働くが、こちらも長続きせず
(以降は定職に就いていない。現在、生活保護を受給中)

・拘置所で暴力団組員(嶋本)に出会う

・出所後、角野から願い出て組員になる
 →嶋本と兄弟関係に
 ※後に嶋本に破門されている

・角野には内縁の妻と2人の子供あり
 →何度目かの服役中に妻から別れを切り出される
 ※角野は「捕まっている間に、嶋本に妻を寝取られた」と認識
  真偽は不明

・2014年に出所後、覚醒剤をやめる
 →以降は一切、覚醒剤を使用していないが、幻聴、幻覚といった覚醒剤精神病は残る

・2017年ごろに病院(精神科)に入院中、同じく入院中だった町河と出会う
 →交際スタート

・町河の病気:
 結婚→離婚→内縁の夫ができるが、内縁の夫から暴力があった。
 →子供(離婚した夫との間に長女、内縁の夫との間に長男と次女)と共に保護施設へ避難
 →内縁の夫と別れ、別の住居へ移り住むが、暴力を受けたことへの恐怖心で情緒不安定に
 →入退院を繰り返す
 ※日中は毎日、病院から外出許可を得て子供たちの世話をしていた
  夜は妹に下の2人の子供たちを任せる

(続く)

カテゴリー: 未分類 | コメントする

6月中にやることの整理(6/14時点での残り)

【MUSTでやること】

・今月末締切の新人賞に投稿(現在、他の方に読んでいただいている最中。フィードバックがあり次第、修正→推敲→投稿)

・内職(データ作成/入力) 残り5日程度

・小説教室Bに出席

・歯科健診

・ショートショート創作講座を受講(オンライン)

・読書(アルベルト・モラヴィア『深層生活』が読みかけ)

 

【できればやること】

・来月に提出する小説教室Aの原稿を執筆(できれば今月中に、半分ぐらい書いておきたい。原稿用紙換算100枚中、50枚くらい)

・来月末日締切の新人賞に出したい作品を執筆(これまでに書き終わって落選した2つの小説をドッキングしてリメイクしたい。来月の新人賞に間に合わなければ、見送りも可)

・大阪地裁で裁判傍聴(4日~8日間)

カテゴリー: 未分類 | コメントする

第1稿脱稿

 ハロー。

 今月末に投稿予定の作品の第1稿を、今朝にやっと脱稿。

 プロの方にお金を払って、読んでいただいている。以前にもその方に依頼をして、講評をもらった実績がある。
 出費は痛いけれども、すごく丁寧に分析してくださる方で信頼しているし、一人で書いて何回も落選するよりも、プロの方に読んでいただいて改稿を重ねたほうが近道だと思うんだよね。

 今回書いた作品は、新米霊媒師の話。霊媒の依頼が来ないから、普段は占いの館でタロット・カード鑑定をやっている。

 私は2019年に半年間、タロット占いの講座に通った。現在は、たまに練習会に参加する程度だけど、カードは毎日引いている。

 講座で得たタロット・カードの知識を、今回の作品にはふんだんに投影していみた。

 何年も前から練っている作品で、なかなか書き進められずにいた。ぐずぐずと書けなかったのには、作者も表層意識では気付いていないような、それなりの理由が隠れていそう。
 出来はともかく、作品として仕上げて成仏させられたら、それで良しとする。

 早朝から推敲していて、なんとか読んでいただく方に渡せた状態。ふらふらになって寝て、今、起きたところ(もう夕方……)。

 フィードバックをいただいたら、それをふまえて書き直し→推敲→公募先へ投稿の予定。

 読んでいただいている間に、私は家でエクセルでデータを作成する内職に従事する。というわけで、これから内職です。

 チャオ!

カテゴリー: 未分類 | コメントする

ちょっとピンチになってきた(かも?)

 仕事が決まらなかった……。

 インド占星術の先生が仰るには「決まる」はずだったんだけどw


 ただし先生を庇うとしたら、「6月11日から流れが変わるから、その日に採否の連絡があるんだったら決まるよ」とのことだった。

 5月に派遣会社(派遣元)の担当者とZOOM面接をした時、「6月9日に派遣元から仕事が受注できるかどうか判明する。その後に連絡する」との話だった。だったら私には10日か11日ごろに連絡があるだろうなぁ~、と思っていたのだ。実際には今日(9日)に連絡があって断られたので、厳密には占いは外れたことにはならないかもしれない。どうやろうか?

 執筆に煮詰まっているので、「働いてみようかな」と思ってた。ちょっと残念。

 もともと1年ぐらいは執筆に励むつもりでいたし、貯金はまだ大丈夫。そんなに酷く落ち込む状況ではないけれども、このまま仕事がGETできずに路頭に迷ったらどうしよう、との不安はあるよ……。

 これは神様が「今は執筆に精を出しなさい」と言っているとポジティブに考えたいところ。(めちゃめちゃ煮詰まってるけどwww)

 8月スタートで、同種の仕事の求人があるんだって。エントリーはしておいた。7月22日ぐらいに採否の連絡があるらしい。それまで待とうかなぁ……。

※追記: 数日で終わる単発のバイトは2つ決まった……。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

I am not like that

 おはようございます。

 ゴミ出しを済ませて、喫茶店で読書して、買い物に行って、家で朝ご飯を食べたところ。

 これから執筆する。今月末に締切の新人賞の応募作品を、まだ書いてる途中なんだが。とっくに推敲に入っていないとヤバい時期やのに。

 昔、加藤諦三さんがラジオで話していたことだけど、アメリカの心理学者のシーベリーは、「悩む人の共通点は”I am not like that”と言えないことだ」って気付いたんだって。

 I am not like that. 私はそういうのではありませんので。

 ”I am like this(私はこういう者ですので)”ではないところが絶妙。

 つまり、「他人は他人、私は私」と考え、「他人にできることができなくてもいい」と開き直れる、ということ。
 たとえ”I am like this”と胸を張って言えるものが見つかっていないとしても、”I am not like that”と断言できれば、たしかに悩みは抱えずに済みそうだ。

 私には、この感覚が足りていないかもしれない。

 今、悩んでいる点は――
「これが面白い」と思うことを書いているのに、他人の評価が得られないこと。
 筆力の未熟さは認めるけれども、未熟さを差し引いても、何も他人の心に届かないのかなぁ、と。

 他人の心を動かすものが書けないと、書くことに意味がないかもしれない。
 酷く独り善がりな文章を書き続けているのでは、との疑いが払拭できない。

 だから、”I am not like that”と言い切れないでいる。私の書くものに共感してくれる人がいれば悩みは消える訳だが、そのためには「伝わるように書こう」と考えるのは当然な訳で、そうなると「他人の評価を気にするな」との”I am not like that”から離れていく。このへんの矛盾をどうすれば良いのだろうか。答えは出ない。

 執筆の姿勢についての答えが見いだせないばかりか、この記事で伝えたいことが伝わっているかどうかすら、まったくわからない。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

インド占星術の鑑定に行ってきた

 用事があって、電車で出掛けてきた。

 午前中に用事が終わった。直帰の予定だったが、占いに行きたい気分に。無職の私には贅沢だとわかっているけど、カウンセリングは必要だ。帰りの電車で自宅の最寄り駅で降りずに、梅田まで出る。某占いの館で、インド占星術の鑑定を受けてきた。

 先生の鑑定を受けるのは3回目。顔を覚えていてくれていた。

 私のイケてない現状について聴いてもらった。
「問題が1つだけなら対処もできますが、あっちもこっちも問題だらけで、手に負えなくなってきました」

 先生は占星術のチャートを観ながら、「40代になってから、大変だったでしょう」と。

 うーん、わからん。振り返れば、10代も20代も30代もそれなりに苦労した。楽しいこともあったはずだが、辛い記憶のほうが多いような。他の人よりも不幸な境遇という訳ではなく、セロトニン(脳に幸せを感じさせるホルモン)の分泌が、他の人よりも少ないのかもしれない。

「40歳になった時、『40代は好きなことを片っ端から実現しよう』と決心したんです。まずは念願の四国八十八箇所を歩いてきました。お遍路の途中で、『そういえば、昔は作家になりたかったなぁ』と思い出して、執筆の勉強を始めました」

 正確には、お遍路→アメリカでニューキッズのコンサートに行く→作家デビューの順番で夢を叶えるつもりでいた。

「作家デビューが全然できないので、次にやりたいことの実行に移れない状態です。実現させたいことのリストの項目が減らずに詰まっています。このままでは、他の夢を叶える前に寿命が来そう」

「次は何をやりたいの?」

「エジプト旅行です」
 今の時世では、海外旅行も来そうはあるが。

 先生がおっしゃるには、「今ね、ちょうどインド占星術的に、厄年みたいなものなのよ。しんどいでしょう? まだ数年は完全に抜けられないけど、今年の12月には、ずいぶん楽になっているはず」とのこと。

「2019年ぐらいから、本当にいろいろありまして。心身ともに弱っています」と弱音を吐いてみる。「とりあえず一旦は、12月に気が晴れるんですね? 信じます。12月を目標に、あと半年を耐えます」

 ついでに、「今年の前半も精神的にかなり追い込まれたのですが、運勢的には何月ごろが駄目でした?」と訊いてみた。「3月27日から4月21日頃」だそうだ。確かに、今年の4月は滅入ってたわ~。上手く言えないけど、急に精神的に「うっ!」ってなって、めっちゃ落ち込んだ。あれは何だったんだろう、って疑問だったけど、運勢的なものなのかなぁ。

 執筆活動についても、アドバイスをもらった。

 何とか2021年中に作家デビューしたい、少なくとも成長の明らかな実績が欲しいと願っているけれど、先生は「あんまり今年中に拘らないほうがいいよ。運勢的に、どうしようもないこともあるから。拘り過ぎると、自分で自分を苦しめる」と仰る。

 今月末に公募に出す作品が認められれば、結果発表が12月なんだけど。
 まだ今年中の成果を求める自分がいる。でも、今書いてるやつに、ぜんぜん自信が持てない。面白いかどうかは別として、とにかく書き上げようとは思ってるけど。

 とりあえず、12月までは作品を粛々と書き進めながら、運勢的な重苦しさに耐える予定。「12月にまた来ます」と約束して、館を出た。

 少しだけ気分が上向いた。12月まで耐えるという具体的な目標ができたので。

 余談だが、今月の11日頃に応募中の派遣の仕事の採用可否連絡が来る。先生の鑑定では、「仕事が決まる」らしい。当たったかどうか、このブログで報告したい。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

折原一『傍聴者』

傍聴者

新品価格
¥1,925から
(2021/6/3 05:19時点)

 面白かった!

 恥ずかしながら、折原一(おりはらいち)さんは、お名前ぐらいしか知らなかった。今回初めて作品を読ませてもらったが、筆力に圧倒された。

 世の中には未読の面白い本が、わんさか残っているんだろうなぁ。寿命が足りん。

 折原一さんに対する予備知識のないまま『傍聴者』を読み始めた私は、作者は若い方かと思った。文体やストーリーの内容がフレッシュなので。新人作家にしては恐ろしく文章が洗練されているなぁ、と。それで興味を持って、読んでいる途中で作者について調べてみたら、長いキャリアを持つミステリー界の重鎮だった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/折原一

 Twitterもされている。プロフィールのアイコンが、ゲイシー(アメリカのシリアルキラー)の描いた絵であることからも、なんだか気が合う予感……。

https://twitter.com/1orihara/status/1399654272543780866?s=20

 ミステリー専門誌『ジャーロ』って、まだ紙で読めるんだね! 光文社のミステリー文学資料館(現在は閉館済み)に『綾辻行人展』を観にいった時、本棚にバックナンバーがズラーっと並んでいたよ。

 余談だが、ジャーロとはイタリア語のジャッロ(giallo)に由来。ジャッロは元々、「黄色」という意味。大手出版社・モンダドーリ社が出したミステリーのシリーズ本の背表紙が黄色だったから、イタリアではミステリーのジャンルそのものがジャッロと呼ばれるように。

 脱線が過ぎた。『傍聴者』の話に戻る。

『傍聴者』を手に取った切っ掛けは、自分の創作のため。
 私は時々、大阪地裁へ裁判傍聴に行く。今年になって傍聴した事件に心が動き、ぜひ作品に取り入れたいと考えた。主人公は、裁判を傍聴を趣味とする女である(つまりは私自身の分身)。

 詳しい構想を練る前に、「傍聴が趣味の人物を描く作品」が既に世に出ているかを調べることにした。結果、『傍聴者』を知るに至ったのである。

 これは読まねば、と。類似作品があるとなれば、公募への応募はできない。書く前にリサーチをしておく必要はある。

 読んでみてわかったが、折原さんと私の焦点を当てたいポイントは明らかに違う。私は私の物語を書いても、折原さんの物語をパクったと疑われる心配はないだろう。安心したし、『傍聴者』を読む切っ掛けとなって良かった。

『傍聴者』には、主要登場人物の中に死刑囚・木嶋香苗さんをモデルにした女性(花音)が出てくる。読者が木嶋香苗さんの事件に興味があるかどうかで、『傍聴者』が好きかどうかも分かれそうだ。木嶋さんと花音の犯行の動機も違うので、『傍聴者』を読んだからといって木嶋さんの事件についての理解が深まる訳ではないが。

 物語の中で描かれる花音と木嶋香苗さんの人物像はかなり違っている。だが、裁判シーンでの花音の言動は、木嶋香苗さんのものに寄せてある。そのため、裁判シーンとそれ以外のシーンで、花音の人物像にブレがあるように感じられ、その点にはちょっと違和感がある。

 序盤を読むだけで犯人がわかる(つまり、犯人の特定を目的としない)ミステリーを「倒叙ミステリー」と呼ぶんだって。『傍聴者』の中の登場人物の発言で学んだ。裁判傍聴をメインに物語を進めるなら、自ずと倒叙ミステリーを書くことになりそうだ。既に裁判が始まっているということは、つまりは犯人がわかっていることを示すので。

『傍聴者』でも犯人は初めからわかっているんだけど、動機や犯人のバックグラウンドが物語を読み進めるにつれ少しずつ明らかになる仕組み。終盤の追い込みとどんでん返しが素晴らしい。深掘りと作り込みに感服。

カテゴリー: 未分類 | コメントする