シヴァ神に映画をおごってもらった話

 みなさん、いかがお過ごしですか?

 小説の公募に落ちまくりの日々です。

 落選でいちいち落ち込んでいたら心身がもたないので気にしないようにしているのですが、これだけ立て続けに落ちるとさすがに気分が下がります。つい昨日も応募作品の三分の一が通過する一次選考に落ちました(´Д`)

 先月、気分を変えようとガヤトリーマントラの詠唱と筆記に3日ほどはまっていました。ガヤトリーは言葉の女神で、ガヤトリーを讃えるマントラはマントラの中でも基本のキといったところ。

 私はサンスクリットの文字(デーヴァナーガリー文字)が好きで、眺めているだけで嬉しくなってきます。

 ふとデーヴァナーガリー文字の印字されたブックカバーを作ろうと思い立ちました。フリー画像をさがしまわったところ、ちょうど良さそうなシヴァマントラの画像が。画像加工ソフトで背景と組み合わせてデザインし、コンビニのプリンタで印刷。なかなかいい感じにできました。

 できあがったブックカバーをどの本に使おうか——買い置きしてある横尾忠則さんの『インドへ』なんかが打ってつけでしょうが、なぜか本棚に見当たりません。

 そんなとき、Twitterで辺見庸さんの小説が原作の『月』が上映されるとの情報が。急いで原作の小説を買って、ブックカバーはこれにつけました。今、少しずつ読んでいるところです。

 で、今月(11月)1日。

 毎月1日は映画が安いので、『月』を観にいきたくなりました。でも最近かなり散財気味なので、節約したほうがいい気も。映画館で観るぜいたくは諦めようか……と思った矢先、突然インターフォンが鳴って、予期せぬ2000円分の郵便為替が届きました。

 映画チケット1300円、電車賃400円、コーヒー代300円でちょうど2000円。これはインドの神さまに「行け」と言われている!

 仕事をさっさと片づけて梅田の映画館に出かけました。

 この映画がまぁ、実に私に刺さる内容! まだ原作を読めていませんが、辺見庸さんの体温を感じる映画でした。

 映画の中には、一度ブレイクしたけど書けなくなった作家(宮沢りえさん)と、芽が出ない作家志望(二階堂ふみさん)が登場します。作家に嫉妬して意地悪をしてしまう作家志望の言動に人間の嫌なところが出ていて、身につまされました。私にもこういう部分があるので。私が落ちた選考に他の人がうかっていたら、卑屈な気持ちになりがち。

 今、傍聴に通い詰めている例の裁判についても、事件の動機は結局のところ、公募の落選による自暴自棄と他者への嫉妬が動機やからねぇ。さらにあの事件の場合は、被告人が妄想症に罹患しているからさらにややこしいけれども。

 映画にしろ裁判にしろ、人間の負の感情が自他を傷つけるシナリオを意図的に見せられている気がします。

 これはシヴァ神の計らいです。

 映画の中には月が登場します。闇を照らす月。

 窓ガラスなど、月の形に見えるものが映像の中に何度も映りこんでいて、人間の営みをずっと月が見ている気配があります。

 月はシヴァ神の象徴です。

 ॐ नमः शिवाय ||(オームナマシヴァーヤ)

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